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2011 .11 .21

自転車の歩道走行、警察庁の摘発はマナー違反の自転車のみが対象

「自転車は車道」迷走…真意は「歩道暴走ダメ」(YOMIURI ONLINE)
警察庁が先月25日に公表した「自転車総合対策」が波紋を呼んでいる。

車道走行の徹底を打ち出したことに対し、交通量の多い車道を走ることへの恐怖を訴えたり、摘発強化を心配したりする声は多い。同庁は「これまでの原則を徹底しただけ」と釈明するが、その真意が伝わっていないようだ。
その真意とは、「自転車マナーの向上」。すなわち、摘発対象となるのは歩道上を猛スピードで走行/逆走したり、信号無視をするケースのみとのこと。
こうした現状に危機感を抱く警察庁が改めて車道走行の徹底を打ち出した狙いは自転車マナーの向上だ。特に問題視しているのは、歩道上での猛スピードや逆走、信号無視で歩道と車道を縫うように走る危険な自転車。交通切符(赤切符)を切る厳しい取り締まりは、こうした自転車を対象にする予定で、歩道から自転車をすべて降ろす「大転換」を意図したわけではなかったが、説明不足から市民にも不安感が広がった。
いやいやいやそんな真意なんて伝わってないから。10月25日付で発表された「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」(長い…)でも、「車道を通行する自転車」と「歩道を通行する歩行者」って書いてあるから。

ただでさえ東京の車道では、車線のど真ん中を原チャリ顔負けのスピードで走行している自転車が多い。クルマを運転してると怖くてしょうがないわけだけど、そんな中に年配者や子どもを乗せたお母さんまで車道にあふれたら、そりゃあ事故と渋滞が増えるであろうことは想像に難くないですよ。自転車同士でも危険でしょうね。
東日本大震災後、自転車利用者が増加している都内では、警視庁が通勤時間帯などに街頭に警察官を配置し、口頭で自転車に車道走行を促す。歩道を高速で走行する危険な自転車には「警告カード」を渡し、再度違反を認めたら交通切符を切る可能性があることを説明する。
逆に言えば、絶対数では決して多くはない一部のマナーのよろしくない自転車乗りのおかげで、全国に環境整備だの取り締まりのお達しが出されたわけだからスゴい影響力です。ホント迷惑だからやめて。

ひとまず警察庁から、「ゆっくりと走る自転車や子供を乗せた主婦などは、これまで通り取り締まらない」という見解が出たので(ベルとか鳴らさず譲りあって)、注意して歩道を通行すればいいですね。60年代の1億総犯罪者の再現はごめんでしょ?

しかし、つくづく警察(というか役所全般)の表現は分かりづらい。
リンク先がいきなりPDFってのも不親切。知りたい中身がPDFだと検索できないし。

もちょっと「分かりやすく」「見つけやすく」を心がけていただきたいですねぇ。

▼参考リンク
自転車対策に関するQ&A(PDF:警察庁)

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「高齢者や子供を乗せた保護者、前かごに荷物を積んだ人などは歩道で良い。ただ、いずれも徐行が原則で、スピードを楽しむ人は車道に降りてもらう」
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コメント (2)

ぎんぞ:

はじめまして。最近、このような議論が多いですが、なぜ現状を肯定した視点での議論なのか不思議です。道交法上、自転車は車両である為、車道走行が基本であり、この基本を遵守できない場合をどうするかを考える事が本来の議論だと考えます。
しかし、現在の交通環境)(道路、自転車、自動車双方のマナー、意識)が整っていないが故の歪が混乱の原因であるのではないでしょうか?
ですので、現在の不備を強調し、思考停止するのでは無く、どの様にすればあるべき形にできるかを議論すべきと考えますが如何でしょうか?
乱文にて申し訳ありません。

ぎんぞさん、コメントありがとうございます。

ぼくの言葉足らずがあるのかと思いますが、少なくともぼくは「現状を肯定」していません。

問題の主因は心ない一部の自転車乗りであるわけなので、まず彼らにルールを周知することが必要。それが守れないなら罰則を課す。

また、自転車の台数が増える中でそもそも事故/トラブルが起きる可能性が増えているわけなので、専用道路や法改正などのあるべき論が必要だと考えています。

法律がヒトかクルマかの二元論が軸になっているのは現状に合わないですし、もはや原付きも明らかにクルマの部類ですよね。

ただし、現状の道交法において自転車は車両であり、それ故の責任を持たなければならないということが一般市民にまで充分に認知されているかというとそうではないと感じています。

なので、まずは現状のルールをきちんと知ってもらうように伝えている、というのがぼくのスタンスです。

現状のルールを知れば、それ明らかにおかしいしムリだろうという声が利用者や業界団体などからもっと上がってくる、そしてあるべき論を考えていくようになるだろうと期待しています。


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