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2009 .05 .13

音羽、一ツ橋、DNPがブックオフの筆頭株主に

ブックオフ株3割取得 出版不況背景に講談社、小学館、集英社など(MSN産経ニュース)
大日本印刷グループと、講談社、小学館、集英社の大手出版3社は13日、中古本販売のブックオフコーポレーションの株式計約31%(議決権ベース)を、筆頭株主の日本政策投資銀行系のファンドなどから取得すると発表した。出版不況の中、消費者の間で定着した中古本市場を取り込み、新刊本の販路活用や、店舗のノウハウ取得などを探るとみられる。
これは、、、びっくりしたなぁ。表現が適切じゃないんだけど、音羽・一ツ橋は目の敵にしてた毒をも飲むのかって印象。まあ経営としては正しい方向性だけどね。

下流レイヤーで見ると、ブックオフと青山ブックセンター、丸善、ジュンク堂、TRCが同じ傘の下になった。それぞれ洋書、専門書、図書館と専門分野の強みを持っている。合わせてブックオフオンラインとビーケーワンも同じ傘の下になった。

和書以外にもHMVとの提携でCD・DVD(新品)も扱うようになったビーケーワンには堅牢な書誌データと、ネットの販売チャネルとしてのノウハウとがそれなりにあるし、ブックオフオンラインは「オトナ買い」や「タメシ買い」といったユニークな販売手法を実装している。中古のCD・DVD・ゲームとかも扱ってるし。ここまではとても興味深くて、(根拠はないけど)面白いことが起きそうな期待があるな。

ただ上流レイヤーで見ると、メーカー側の変な統制圧力が強まりはしないか、という危惧を感じる。しかも講談社、小学館、集英社はコミック発行部数のトップ3ってところが気になるところ。

自分たちのビジネスモデルの隙間を突いて読者に支持されてきたブックオフのビジネスモデルを管理できる距離にまで飲み込んだものの、読者のニーズを無視してメーカーの都合を押し付けるようなことをしたら、ブックオフが開拓して維持してもいる読者の離反を招きかねないからね。

まあDNPとその子会社が筆頭株主なのはいいパワーバランスなんだろうね。
株式取得は20日を予定しており、大日本印刷は議決権の7・17%を取得して筆頭株主になる。このほか、大日本印刷傘下の丸善と図書館流通センターがそれぞれ6・06%、4・19%を取得し、講談社、小学館、集英社は各4・66%を取得する。
それにつけてもDNP。
平成21年3月期の業績予想は当期純利益が304億円の赤字とのこと。

» 業績予想の修正、配当予想の修正及び役員賞与の減額に関するお知らせ(PDF)

事業の全領域で厳しい経営環境にあるとのこと。最近の買収攻勢も切実な危機感からなんだろうけど、本業に偏り過ぎてる感じなので、本屋のほんねさんの考察にあるようにICタグを核とした新市場でシェア獲得までを視野に入れてるのかも知れない。図書館収納用の書籍以外にも、講談社、集英社、小学館の新刊コミックにDNPのICタグが導入されてればブックオフの在庫までトラッキングできるし。

まあ、おカネ的に同じ傘の下になったとはいえ、企業風土も違う会社同士だし、規模も違うわけなのですぐに組織が有機的に結合してシナジーを生むかっていえば時間はかかるだろうけどね。

今回のブックオフ株取得はどこが音頭を取ったのかまではうかがい知れないけど、赤字見込みでもやっぱDNPは体力あるよねぇ。業界構造を変えるような大鉈をふるいたくても体力(おカネ)がなきゃできないもの。

後年振り返ってみたとき、2009年はターニングポイントの年になるんでしょうね。

▼参考リンク
講談社、集英社、小学館およびDNPグループによるブックオフコーポレーション株式会社の株式取得について(DNP 大日本印刷ニュースリリース)

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出版連合のブックオフ株取得、狙いは漫画本か(ITmedia News)

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