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2008 .03 .12

アスコム、やっぱり倒産…

出版社「アスコム」倒産、利益率低迷…NHK番組本も(ZAKZAK)
NHKの人気番組「ためしてガッテン」などの定期刊行物や田原総一朗氏、松山千春ら有名人の関連書籍を発行する中堅出版社「アスコム」(東京都千代田区、日暮哲也社長)が10日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。負債総額は約15億6000万円。
ちょっと前にマイミクさんの日記で「事業停止したらしい」というのを知ったんだけどやっぱり倒産だったみたい。
新風舎の件はともかく、草思社エクスメディアなど、このところずいぶん出版社の倒産や統廃合の話題が多いです。

アスコムも若干「出し過ぎじゃね?」なところもあったけどそれなりに売れるシリーズもあったし社名の認知度以上に売れてる出版社という印象があったんだけど。「返本率が40%程度で推移」って異常ですよね…。

利益率を改善するために出版点数を抑えたことで売上高が落ち込み、経常赤字に陥ったということなんですけど、それってどこの出版社も抱えてる話しであって構造的な問題を露呈してるんですよね。

利益を出そうとして出版点数を絞ると、キャッシュフロー的に回らない売上額にしかならない。ということは事業を回すためには自転車操業するしかない、ってことになるので。

メーカーだけでなく小売の本屋も同じ状況なので、自転車操業のための出版には歯止めをかけたいところなんですけど、出版業界は今やどこかの歯車が欠けると連鎖的に影響が出かねない構造になってしまっている。

なので個人的には委託制度(と返品)を止めるべきだと思ってるんですけどね。でも実際、客注しかないはずのネット書店でも返品は発生してる(汚破損以外の通常在庫分として)。一般書店の店頭に比べれば低い率ですけどね。でもゼロじゃない。

  • 出版企画
  • 事前マーケティング、市場調査
  • 販売計画
  • 書店に指定注文を取る
  • バックストックを加味した数で製造
  • 一定期間後は電子データで販売 or オンデマンド出版

自転車操業を打開するにはこんな方法しかないんじゃないかなぁ。いつも考えてるんだけどなかなか妙案も浮かばない…。

こんなことしたら初版って概念がなくなるので寂しい気持ちもあるんだけど、「いつでも買える」という読者側の意識とそれに応えるのが当たり前的な出版・小売側の意識を変えていったほうがいいんじゃないかと思う。

ぼくはコーヒーが好きで、新しく出た缶コーヒーもとりあえず買ってみるんだけど、缶コーヒー(とか水、お茶とか自販機ドリンク全般)って新製品サイクルがあるから気に入ったドリンクがあってもある時期を過ぎると売らなくなるから買えなくなっちゃうんですよね。

まあ缶コーヒーは少し例えが違うんだけど言いたいことは、過去の商品でも読者は追加コストをかけずに入手できるのが今の出版・書店のいいところなんだけど、そもそも出版社がなくなっていけば「本」そのものがなくなっていってしまうし、そうしたら読者の便益そのものがなくなってしまう、ってこと。

時限再販とか買い切りとか中古本取り扱いとかは小手先のことでしかないし、「出版は文化だから独自性がある」とかいうのも言い逃れでしかなくて、流通形態を変えていかないとそもそも産業といて成り立たない。というか今でも成り立っていない。

出版社の倒産がニュースにもならなくなるくらい麻痺してしまう前に(いやもう充分遅いんだけど)。

業界を「守る」んではなくて、変えてきましょうよ。

▼参考リンク
株式会社アスコム(大型倒産速報 | 帝国データバンク)
アスコム(東京商工リサーチ:倒産情報)

▼関連記事
アスコム倒産騒動 止まらない深刻な出版不況(MONEYzine)

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