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2008 .01 .09

草思社も民事再生法の適用を申請

草思社が民事再生法適用申請 負債総額22億5千万円(asahi.com)
日本語ブームを巻き起こした「声に出して読みたい日本語」などで知られる中堅出版社の草思社(東京都文京区、木谷東男社長)が9日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は22億4789万円。複数の企業が支援を表明しており、事業は継続する方針。
草思社もか…。いや「もか」とか言って新風舎と一緒にしたらいけないけど。ショックだなぁ。。。

雑誌を持たずに(=広告収入を頼らずに)書籍一本でやってきて千駄ヶ谷に自社ビルを構えるまでになったのに。本社移転のお知らせを聞いてなんとなく予感はあったんだけどね。

記事では「出版不況の象徴」としているけど、でもそもそも出版不況なんてないと思う。いいコンテンツ(本)はたくさんあるよ。新刊もそして既刊にも。でもニーズとのマッチングが機能不全になってるだけ。

そう。それって流通の問題がとても大きい。
本や出版のことカテゴリーにいろいろと書いてきてるけど、要するに委託制度と金融返品のなかで資金繰り優先の過剰生産が行われ、ろくに販売期間、販売機会を得られない本が多いことが「売れない」原因になっていると思う。

この資金繰り優先の過剰生産においてろくに市場ニーズも汲み取らずに刊行点数を埋めるためだけの低品質出版が見受けられるのも事実。

本屋は自店のお客さんの趣味嗜好や属性を把握していくべきだし、出版社は出版前に事前リサーチやテスト販売をもっと積極的に行っていくべき。

雑誌を持っている出版社は実売よりも広告収入のほうが割がいいのでもう少し延命できるだろうけどそれも時間の問題。実売が伴わなきゃ刷り部数を落とすしかないからね。刷り部数が減れば広告媒体としての価値が毀損する。
※むしろ読者をセグメントしてターゲティングできている場合は小部数でも生きていけるけど。

前述のように草思社は雑誌を持っていないので資金繰りは厳しかったでしょう。
でも厳しいことを言わせてもらえば、旧態依然とした販売手法と流通経路に乗ったままだからこうしたことになったんでしょう。

町の本屋と出版社は、読書離れとか、ネット書店のシェア拡大とかポイント制による値引き圧力とか、ネットやケータイというキラーコンテンツの拡大とか「出版不況」って言ってる原因を外部になすりつける考えをやめたほうがいい。

原因は「うち」にあるんだよ。

本は売れるよ。本を欲するひと、本を読みたいひとはたくさんいる。
でも「本と読者の出合い」(販売機会のマッチング)が少なすぎるんだよ。

新書や文庫が悪いとは言わないけど(ぼくも好きだし)、低価格じゃないと売れないとかいう言い訳もやめようよ。

ぼくもまわりの同僚も本を読んでるよ(ぼくは読むの遅いけど)。技術書やビジネス書、趣味のマンガも文庫も新書も読んでる。

ネット書店は正直ブラブラ探すのには向いてないと思うし、町の本屋さんは見かけたその時に買っておかないと次に行った時にもう置いてないかも知れない。
そして、世の中にどんな本が出ているかをうまく知る方法がない。

結局、書評系や出版社ごとのメルマガで本の刊行情報を手に入れてたりする。

どんな本があるのか、どんな本がいいのかが分からないの。
ね? これってマッチング不全だし機会損失だよね?

出版社も本屋もまだまだこれからだよ。がんばろう。

▼参考リンク
大型倒産速報(帝国データバンク)

▼関連記事(ITmediaが報じるんだなぁ…)
草思社が民事再生申し立て(ITmedia News)

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