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2008 .01 .08

新風舎が事実上、倒産

新風舎:民事再生法の適用申請へ…自費出版大手(毎日jp)
自費出版大手の出版社「新風舎」(松崎義行社長、東京都港区)が事実上倒産したことが分かった。7日午後、東京地裁に民事再生法の適用を申請する。負債額は約20億円で、関連会社の新風ホールディングスを含めると約25億円。
新風舎についてはいろいろな話しが出てるけど事実を確認できる立場にないのでそこはスルー。
でもまあ思うのは「自費出版=(ISBN付けた)商業出版」じゃないよね? ってところ。

記念とか自己顕示欲とか一発ヒットを当てたいとか本を出版する理由はひとそれぞれ、たくさんあると思うんだけど商業出版にしなきゃいけない理由って何だったのかな。

本屋の店頭に陳列されたい?

できなくはないけど、全国すべての本屋に並ぶのは物理的にも発行コスト的にも不可能。そんなことができるのは(良くも悪くも)ハリー・ポッターくらい。
それと展示期間も保障できないよね。本屋側から見て。だって売れない、売れる見込みの少ない「商品」よりも売れる、売れる見込みのある商品に力をかけたほうがいいもの。

市井の個人が書いた本が内容がよくないって話しじゃないよ。
内容うんぬん以前にお客さんに知ってもらえなければ、その本は存在しないのと同じこと。
同社は昨年7月、絵本や自伝を出版した複数の著者から「書店に並べて宣伝、販売するという契約と異なり、わずかな冊数しか店頭に並ばなかった」として提訴されている。
存在を知ってもらってはじめて、内容について吟味できる。その「存在を知ってもらうコスト」は到底個人のサイフで賄える金額じゃない。これは出版社の広告宣伝費、販促費にあたるよね。
発行コストは個人のサイフで賄えたとしても広告宣伝費や販促費はふつう、個人で賄えるものではないよ。。。

あ、あと根本的に個人のサイフで賄えるくらいの刷り部数じゃそもそも全国の本屋に行き渡るなんてムリなので。

特段この著者のひとを責めるつもりはないよ。だって知らないものね。そんな事情。新風舎に非があるとしたらこうした流通の実態をどこまで開示・説明していたか、じゃないかな。

一部報道に対しての小社の見解を読んでもそんなに理にかなわないことを主張してるわけじゃないと思う。けど見解の後段に説明責任に言及していてまさに、その「著者(お客さん)にとっての適切な説明」がどれだけなされていたのかってことだと思う。
「出版年鑑2007」によると、05、06年は新刊書籍発行点数(2719点、2788点)が2年連続で講談社を抑えて1位となっていた。
重版を約束する期間が発行から1年というのはムチャじゃないと思うけど、2008年1月8日時点で重版されたタイトルは894件。その重版された累積タイトル数に対してネット書店の取り扱いタイトル数は以下。

Amazon.co.jp
ビーケーワン
セブンアンドワイ
紀伊國屋書店BookWeb

キーワード「新風舎」の検索結果だからノイズも混じってるし各社で1,877 件(紀伊國屋書店BookWeb)~Amazon.co.jpで14,142件と結果に大きな開きがあるんだけど(これは発行点数が多すぎて書誌データの作成が追いついていないのも一因)紀伊國屋書店BookWebだと軒並み「入手不可」なんだよね。2007/12刊行なのに。

重版にしても稼動在庫にしても実績があるとは言えないなぁ。

というわけで本を出版しようと思うひとは、それが商業出版じゃなきゃいけないのか、私本としての自費出版じゃいけないのかよく考えたほうがいいですよ。

夢を持ちたい気持ちは分からなくはないけど本屋さんはなかなか受けてあげられないですよ。そこに新風舎はうまいこと乗ったなぁとは思うけど。

ブログとか日記HPを綴ってそれを紙に製本する、なんてのもいいと思いますよ。
表現の場がネットであれ衆目を集める内容であれば商業出版も夢ではないですたぶん。

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