楽天さん、配信停止できないメールは違法みたいですよ
すべての楽天メールに対し1ヶ月間地道に配信停止処理を行った場合、それでも配信される重要なお知らせとは何か/何通あるのか(企業法務マンサバイバル)
実行前の6/14~/20の1週間で配信された楽天からのメール。予めお断りしておくと、私はけっこうまめに登録時にデフォルトで入っているメルマガ配信のチェックボックスを外してるタイプです。それでも、楽天カード絡みで広告メールが1週間で25通・1日あたり約4通来てたという状態でした。
楽天"スパム"メールは、配信停止処理しても「重要なお知らせなどのメールは送信させていただきます」と開き直ることで有名ですが、すべての楽天メールに対し1ヶ月間地道に配信停止処理を行った場合、それでも配信される重要なお知らせとは何か/何通あるのかを調査しようと、決意を固めました。
— Takuji Hashizumeさん (@takujihashizume) 6月 21, 2012
楽天本体のメルマガならそれなりに一括配信停止できるハズなのでどういうことだろうと思って見てみたら、なるほどこの方のは楽天カードのメールなんですね。
ぼくも件のカードを持ってるけど、この方のキャプチャ程のメールは楽天カードから来ないなぁ。よほど楽天カードのキャンペーンに応募してるんだろうか。
とは言え、「止められないメール」というのはいただけない。
楽天本体(楽天市場のジャンルメルマガやショップメルマガ、ブックスとかオークションといったグループサービス)のメルマガなら、前に書いた楽天公式の配信停止フォームからまとめて止めることができます。
» 95%が迷惑と思う楽天のメルマガをまとめて停止する方法(公式)
けどトラベルとかカードのように、メルマガの管理が楽天本体と別なサービスは個別に手続きしなくちゃいけないのがめんどうなところ。後から買収していったサービスは楽天ログインが共通なくらいで、DBとか未だにバラバラなままなんでしょうね。
さて楽天カードのユーザー管理ページである「楽天e-NAVI」を辿ったらトップページの下の方、「ご登録情報」の中に「メール配信の登録・停止」ページへのリンクがありました。
» トップ > お客様情報 > メール配信の登録・停止(楽天ログインが必要)
このページに掲載されているメールの一覧が下記。こんなにあったんだ…
「企業法務マンサバイバル」の管理人さんもここから配信停止を行い、1週間で25通届いていた楽天カードのメールが1週間で4通まで減ったとのこと。そのうち2通はカードの利用履歴のお知らせと利用規約変更のお知らせなので内容としては妥当。
だがしかし。残り2通のメールの内容は「支払方法をリボ払いに変更する勧誘」と「獲得ポイントのお知らせ+広告」というもの。そしてこのメールが止められない。
本人が希望しないリボ払いを勧められる必要はないし、獲得ポイントの確認はサイトを見れば自分でできるのでメールされる必要はない(しかも不要な広告付き)。
楽天カードとしては、これが広告メールではなく、「取り引きに関するお知らせ」なので配信停止できなくてもOKと解釈しているのかも知れない。
さて、「取り引きに関するお知らせ」は「特定商取引法」の規制を受けます。
その監督省庁である経産省から配布されている資料には以下の記載があります。
ただし、消費者から見て明らかに重要でない事項は適用除外とならない。
ここ大事。試験に出ますよ。
上記のように利用者にとっては不要な勧誘、そして代替手段があるお知らせについてのメールを消費者が配信停止できない=意図しない内容についての送信承諾の意思を表せない=オプトイン規制の適用除外を逸脱=違法行為じゃないですか?
その内容(お知らせであれ広告であれ)を重要と見なすか見なさないか判断するのは消費者だと、ぼくは読み解きました。違ってたら指摘してください。
この経産省の資料では「広告メールの定義」が曖昧ですが、以下の記事にメールマーケティングを生業とする民間企業の見解があります。
広告メールの場合は上記の記事にあるように、総務省の「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、いわゆる「迷惑メール防止法」の規制を受けます。
消費者庁から配布されている資料には以下の記載があります。
・広告を含む「取り引きに関するお知らせ」(特定商取引法)
→消費者が重要事項ではないと判断したら、送信承諾の取得が必要
→配信停止は可能でなければならない
・取引に関する事項を含む「広告メール」(迷惑メール防止法)
→広告メールにはオプトイン(送信前の承諾取得)が必要
→配信停止は可能でなければならない
すなわち、楽天カードのメールはどう見ても違法と思います。
まあ法律上は広告メールの定義が曖昧なところがあるので強弁しようと思えばできるところもあるでしょう。けど、そんなことしても世の中的に信頼は得られないし、ユーザーも離反するので獲得コストがムダになるだけでしょう。
楽天カードに限らず、デカい会社になったんだから襟を正して欲しいものですね。
▼参考リンク
・迷惑メールの概要(消費生活安心ガイド)
・取引対策課(消費者庁)
とは言え、「止められないメール」というのはいただけない。
楽天本体(楽天市場のジャンルメルマガやショップメルマガ、ブックスとかオークションといったグループサービス)のメルマガなら、前に書いた楽天公式の配信停止フォームからまとめて止めることができます。
» 95%が迷惑と思う楽天のメルマガをまとめて停止する方法(公式)
けどトラベルとかカードのように、メルマガの管理が楽天本体と別なサービスは個別に手続きしなくちゃいけないのがめんどうなところ。後から買収していったサービスは楽天ログインが共通なくらいで、DBとか未だにバラバラなままなんでしょうね。
さて楽天カードのユーザー管理ページである「楽天e-NAVI」を辿ったらトップページの下の方、「ご登録情報」の中に「メール配信の登録・停止」ページへのリンクがありました。
» トップ > お客様情報 > メール配信の登録・停止(楽天ログインが必要)
このページに掲載されているメールの一覧が下記。こんなにあったんだ…
「企業法務マンサバイバル」の管理人さんもここから配信停止を行い、1週間で25通届いていた楽天カードのメールが1週間で4通まで減ったとのこと。そのうち2通はカードの利用履歴のお知らせと利用規約変更のお知らせなので内容としては妥当。
だがしかし。残り2通のメールの内容は「支払方法をリボ払いに変更する勧誘」と「獲得ポイントのお知らせ+広告」というもの。そしてこのメールが止められない。
弊社へ登録されている最新のメールアドレスへお送りしております。管理人さんが仰るように、これが「重要なお知らせ」?
弊社からのメールを希望されない会員様へも重要なお知らせとして配信しております。
誠に勝手ながらこのカード利用獲得ポイントメールの配信停止はいたしかねますので、何とぞ、ご了承ください。
本人が希望しないリボ払いを勧められる必要はないし、獲得ポイントの確認はサイトを見れば自分でできるのでメールされる必要はない(しかも不要な広告付き)。
楽天カードとしては、これが広告メールではなく、「取り引きに関するお知らせ」なので配信停止できなくてもOKと解釈しているのかも知れない。
さて、「取り引きに関するお知らせ」は「特定商取引法」の規制を受けます。
その監督省庁である経産省から配布されている資料には以下の記載があります。
改正特定商取引法における「電子メール広告規制(オプトイン規制)」のポイント(PDF)「重要な事項」を通知するメールはオプトイン規制の適用が除外される、とあります。
1.請求や承諾を得ていない電子メール広告の原則禁止(オプトイン規制)
(中略)
<適用除外>
1)契約内容や契約履行に関する通知など「重要な事項」を通知するメールに広告が含まれる場合
・「契約の成立」「注文確認」「発送通知」など契約の内容確認や契約履行に関わる重要事項のやり取りに付随して電子メール広告を送る場合。(ただし、消費者から見て明らかに重要でない事項にもかかわらず、それに付随して電子メール広告を送る場合は適用除外にならない。また、アフターサービスなどに関わる「フォローメール」に付随して電子メール広告を送る場合は、そのサービスが契約履行に不可欠な事項でない限り適用除外にはならない。)
ただし、消費者から見て明らかに重要でない事項は適用除外とならない。
ここ大事。試験に出ますよ。
上記のように利用者にとっては不要な勧誘、そして代替手段があるお知らせについてのメールを消費者が配信停止できない=意図しない内容についての送信承諾の意思を表せない=オプトイン規制の適用除外を逸脱=違法行為じゃないですか?
その内容(お知らせであれ広告であれ)を重要と見なすか見なさないか判断するのは消費者だと、ぼくは読み解きました。違ってたら指摘してください。
この経産省の資料では「広告メールの定義」が曖昧ですが、以下の記事にメールマーケティングを生業とする民間企業の見解があります。
特定電子メールはどこまで? 担当者が気になる15問のチェックシート(Web担当者Forum)カード利用獲得ポイントメールに掲載されている注目商品(冷汁やら宮崎牛)は明らかに営利目的の広告・宣伝ですよね。ということは広告メールとなりますね。
事務連絡や料金請求のお知らせなど、業務遂行上必要不可欠となるものに関しては除外される。特定電子メールに該当するか否かのポイントは、営利目的の広告又は宣伝の要素が含まれているかどうかだ。
広告メールの場合は上記の記事にあるように、総務省の「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、いわゆる「迷惑メール防止法」の規制を受けます。
消費者庁から配布されている資料には以下の記載があります。
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント(消費者庁)(PDF)分かりづらいのでぼくなりにまとめてみると、以下のようになります。
6 受信拒否について
広告宣伝メールの送信について同意した場合であっても、受信拒否の通知を行った場合には、以後の送信が禁止されます。
(中略)
例外(受信拒否の通知を受けた場合であっても送信できるもの)
契約や取引の履行に関する事項を通知する電子メールにおいて、付随的に広告宣伝が行われる場合
(中略)
特定商取引法においても、請求・承諾に基いて行われた電子メール広告の相手方から、電子メール広告の提供を受けない旨の意思の表示を受けたときは、以後の電子メール広告が禁止されます。
・広告を含む「取り引きに関するお知らせ」(特定商取引法)
→消費者が重要事項ではないと判断したら、送信承諾の取得が必要
→配信停止は可能でなければならない
・取引に関する事項を含む「広告メール」(迷惑メール防止法)
→広告メールにはオプトイン(送信前の承諾取得)が必要
→配信停止は可能でなければならない
すなわち、楽天カードのメールはどう見ても違法と思います。
まあ法律上は広告メールの定義が曖昧なところがあるので強弁しようと思えばできるところもあるでしょう。けど、そんなことしても世の中的に信頼は得られないし、ユーザーも離反するので獲得コストがムダになるだけでしょう。
楽天カードに限らず、デカい会社になったんだから襟を正して欲しいものですね。
▼参考リンク
・迷惑メールの概要(消費生活安心ガイド)
・取引対策課(消費者庁)
コメント (2)
楽天メールSPAMで対処法探してたどりつきました。
全くそのとおりです。
請求書や利用情報は必要ですが同じアドレスでリボ払い変更やキャンペーン広告までが来るので困ってます。
楽天SPAM本文内容のキーワードでブロックしようにも請求メールにもおなじようなキーワードを散りばめてきますので排除が難しい。
楽天の広告DMなんて読む人いないっちゅーの。三木谷さんだって絶対読まないでしょ。
投稿者: 匿名 | 2012年8月22日 09:10
日時: 2012年8月22日 09:10
カードは楽天本体と別なのと、どう考えても広告メールを強制的に送りつけてくるので厄介ですねぇ。
個人的には「カード利用お知らせメール」くらいしか来てないので我慢の範囲と思ってますが…。
とはいえこんな手段を選ばないことやってるから規制ばかりが増えてメールマーケティング自体が悪と見なされると危惧しています。
つくづく、こうした声に真摯に耳を傾けて襟を正して欲しいものです。
投稿者: takeshi | 2012年8月22日 22:36
日時: 2012年8月22日 22:36