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2008 .12 .28

マックの「クォーターパウンダー」の件

マック、東京2店でもバイト行列 「盛り上げたかった」(asahi.com)
日本マクドナルド(東京都)が新商品「クォーターパウンダー」の発売時にアルバイトを集めていたことが大阪で明らかになったが、東京都渋谷区内の臨時ショップ2店で11月に発売した際にも、アルバイトを集めて行列に並ばせていたことがわかった。同社は大阪のケースは「モニター調査」としていたが、今回は「発売日を盛り上げたかった」と、商品PRの演出だったとしている。
大阪の件は知ってはいたけどまだ追いかけきれてなかったので触れてなかったんだけど、今回の東京は・・・脊髄反射しちゃうなぁ。
日本マクドナルドコミュニケーション部は「発売日を盛り上げたかった。並んでもらったのはマーケティング手法の一つ。今後は誤解のないよう検討したい」と話す。
大事なとこも一回。
並んでもらったのはマーケティング手法の一つ。
行列の全員が全員バイトだったわけじゃないけど、自作自演もマーケティングなんですかねぇ。時給とは別に購入代金もマクドナルド社が支払って「大変な盛況の中、多くのお客様に魅力をお楽しみ頂いております」とニュースリリースを打つのがマーケティング手法って言われると悲しくなっちまう。しかもこの規模の会社で。

サクラ(自作自演)って、たしかに効果もあるもんだからなくせはしないと思うんだけど、こうしてマスメディアで報道されてフツーに買いたいと思ってたお客さんが目にしてしまうとイヤーな気分になるよねぇ。

マーケティングって、見込み客集めて儲かればそれでいいってもんじゃないと思ってる。安心とか信頼とかってブランドを醸成するのもマーケティングだし、お客さんの声を聞いてサービスや商品を改善していくのもマーケティングだと思ってるので、ある種お客さんをダマして買わせるのを「マーケティング手法の一つ」だなんて言わないで欲しい。

てかこの発言元は日本マクドナルドコミュニケーション部だそうだけど、コミュニケーション部って誰とコミュニケーションする部署なんだろ。お客さん(消費者)じゃないの? 代理店とだけコミュニケーションする部署なの?

まあそんなこと言っても、そのお客さんも喉元過ぎればこんな出来事も忘れるし、今回の件で不買運動が起こるわけでもないし、マックの株価が下がるわけじゃないでしょう。

でもこんな「マーケティング手法」が蔓延する世のなかじゃ結局は消費者が損するよ。企業に意見も言えなくなるよ。サービスや商品も選べなくなるよ。だから企業がどんなことをしてるのか見分けられる消費者になろう。

企業を監視したりクレーム付けたりするのとは違くて、サクラが使われてても自分が納得すれば買えばいいし、納得したからには文句言わない。でもわけも分からず「マーケティング手法」に乗せられるようなカモにはなっちゃいけない。納得できなかったらブログでもメールでも手紙でも電話でも声を上げていけばいい。企業はそうしたお客さんの声に応えていくべきだし、応えない、応えられないような企業があってはいけない。

お客さんと企業に貴賎はないと思う。商品やサービスがなければぼく達の生活は不便だったりするし、ぼく達のような消費者がいなければ企業活動は成り立たないわけだから。

「今後は誤解のないよう検討したい」って、どう振舞っていくんでしょうね…。

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