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2013 .02 .25

ホンダ、鉄とアルミの結合技術を量産車に採用

ホンダ、スチールとアルミの結合技術を新開発…量産車への適用は世界初(レスポンス)
ホンダは、スチールとアルミを結合する技術を新開発、従来スチール製だったドアのアウターパネル部分にアルミを採用。同技術を米国で3月に発売する北米仕様のアキュラ新型『RLX』に採用し、順次拡大を目指す。
おおよそ普通の人にはピンと来ない話題でしょうけど、これはスゴいこと。
今回ホンダは、異材結合と電食防止、熱変形抑制の3技術を新開発。ドアパネルの一部にアルミの採用を可能とした。
鉄とアルミは溶接できないというのが常識でしたが、なるほど「溶接」ではなく「結合」と表現するんですね。二輪やF1など、挑戦し続けてきた会社の気概を感じます。
従来のスチール製ドアパネルに対し約17%の軽量化を達成し、燃費や動力性能の向上に寄与するとともに、車体外側が軽くなり重心が車体中心に集中することによって操縦安定性の向上にも貢献する。
17%の軽量化がそんな役に立つの? と思う向きも多いでしょうけど、まだまだ端緒ですから。見えないところを熟成するのが日本の技術の矜持だと思う次第です。
異材結合技術では、スチールパネルとアルミパネルを重ね合わせて2段階に曲げる(ヘミングする)「3Dロックシーム」構造を採用。電食防止技術では、インナーパネルに高防食性鋼板を適用するとともに、接着剤を確実に充填可能な形状に変更。熱変形抑制技術では、低弾性接着剤の適用と3Dロックシームの位置を最適化した。
コストと採算性(それはもちろん大事だけど)に重きを置く、フツーの会社になってしまった印象があった最近のホンダだけど、こうして技術開発の原資になってると思えば腹落ちできるものもあるかな。なにせ莫大な開発費の捻出は大変ですからねぇ。

個人的には、二輪方面にも採用されると面白いかと期待しておりますです。

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田野口氏によると「塗装の時の熱は非常に高温で、だいたい200度くらい。これが一番自動車にかかる熱としては一番大きなものになる。その際のアルミの伸び縮みする力はものすごく、それが鉄製のインナーパネルの薄い板だけでは、当然抑えきれない。そのまま造るとドアとしては建付けが成立しないものになる」という。

このため「それを抑えるために(鉄とアルミの)合わせ部に塗る接着剤を低弾性化、伸びやすくすることによって線膨張した時のずれを、接着剤のところで吸収させることを行った結果、非常に変形を抑えることができた」。
ホンダ、鉄とアルミを結合したドア開発「順次、世界の生産拠点に出していく」(レスポンス)
新開発した接合技術は新日鉄住金製の高防食鋼板の採用や、鋼板とアルミパネルを重ねて2段階に折り曲げる形状および、その際に使う低弾性接着剤の採用によって実現した。

田野口氏は「低弾性接着剤はホンダで開発した材料、これについては現時点ですでに各地で調達可能。鋼板はかなり特殊なものなので、全世界で展開すると現地で材料を探すことが必要になってくる」としている。

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