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2012 .09 .28

「空想製本屋」──本の仕立直しをお願いできる製本屋さん

“空想製本屋”に依頼する「本の仕立て直し」(Excite Bit コネタ)
ところで皆さん、「製本」ってご存知ですかね? 辞書には、こう書いてある。
「印刷物・原稿などを綴じ合わせて、1冊の書物にまとめること」。
じゃあ、「空想製本屋」では何をしてくれるのか? 同店ホームページには、こう書いてある。
「大事な一冊をお預かりし、一度ばらして糸で綴じ直し、新しい姿に仕立てます」
いいなあ。大量生産・大量消費のご時世において、こんなお仕事があるんですね。

» 空想製本屋
空想製本屋は、本と人とのあいだを繋ぐ製本屋です。
読むことの手触りを忘れないために、一人一人、一冊一冊に向き合って
手作業で本を仕立てます。
ひとりといっさつを繋ぎ、本と人のあいだに立つ、そんな、本の世界の裏方でありたいと思います。
著者の知識や経験を詰め込んだコンテンツ目的型の本なら電子書籍でも替えが効くけど、ぼくの原体験──石小の図書室で毎日あかね書房の「少年少女世界推理文学全集」全巻を読み耽っていた──は、きっと電子書籍では得られない。

利便性に優れる電子書籍に可能性を感じつつも、やはり本に囲まれて生まれ育った性として「本」というパッケージが持つ紙の匂い、質感は替えがたい魅力です。

もちろん子供のころの読書体験に限らずとも、思い出の本や何度も読み返す本は誰しもあるかと。もし、そうした1冊が手元にあり、それが痛んでしまっていたら・・・

多くの本が読み捨てられ、中古本として売り払われる中、仕立直しによって手元に残る1冊もあるかも知れません。これも想いをカタチにするひとつの在り方ですね。
「かつてのヨーロッパにおける製本の仕組みからヒントをもらいました。完全に製本されていない“未綴じ”、“仮綴じ”状態で本が売られ、気に入ると製本屋で好みの形に製本してもらう。そんな流れが、ヨーロッパにはありました。読み手が本の身体づくりに関われていたあの時代を、現代の日本に適うかたちで行いたいと思ったのがきっかけです」(同店・本間さん)
オールハンドメイドで納期は1ヶ月半から2ヶ月程度、お値段も4万円を超えない程度と気軽に手を出せるものではないけど、商売として儲かるものでもないでしょう。
・単行本(200頁)を布装厚表紙に→25,000円から
・文庫本(200頁)を布装厚表紙に→20,000円から
・30頁程度の冊子を布装ソフトカバーに→5,000円から
何よりこうしたサービスを提供してくださること自体がすばらしい。

残念ながらぼくの蔵書はコンテンツ型の実用書ばかりになってしまっていて、今のところ仕立直す向きの本は見当たらない・・・(@raizoxさんはたんまりありそうw)

空想製本屋店主の本間さんがまだお若いので(スゴいなぁ)、いつか仕立直しをお願いすることも頭の隅に入れつつ、あれこれ本探しを楽しんでみようっと。

▼参考リンク
あかね書房/少年少女世界推理文学全集(藤原編集室通信)

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