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2011 .03 .28

「直ちに健康に影響はない」の意味するところ

武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急情報(21) 「直ちに」とは何か?「冷静に」とはなにか?
すぐ影響はないという時間的な方は当然です.放射線の障害というのは主に遺伝子障害や白血病、甲状腺ガンなどですから、放射線をあびてからかなりの時間を要します.
情報を意図通りに伝えるのはとても難しい。伝わり方や受け取ってからの理解は人それぞれなので、いたずらに不安を煽ってパニックにならないように、言い方・表現は注意しなければいけない。

けれど、政府・マスコミの表現には受け取り手(=国民)に対するそうした姿勢があまり感じられない。なぜなら彼らの表現方法が「官僚語」だから。

今の時点で「直ちに=今すぐ、今日中に」健康に影響するような放射線レベルなら、原発周辺だけの話しじゃ済まない。けど「直ちに影響しない」のは事実。

野菜や水の摂取を過剰に恐れることはない。だから原発から200Km以上離れた東京に住んでる成人(≠乳児)のぼくは気にしてないけど、原発周辺で避難してる人たちはもうマズい。そこに住んでる(=恒常的に被曝する)人たちにとって、1時間あたりの被曝量って数字は意味がない。生まれ育った街に戻りたい気持ちは痛いほど分かるけど、土壌汚染にまで及んでしまった場合は数十年に渡って放射線に晒されてしまう。そして、海に流れこんでしまったら、、、言わずもがなです。
政府が苦しい言い訳をして、専門家が追従しているのは、予想外の事故が起こり、普段では決してあってはいけないほどの放射線が東北南、関東北を汚染したので、その対応ができないからです。

対応ができないことと健康とは無関係ですから、もう少し誠意のある、わかりやすい表現を使って欲しいものです。
放射線量はアメリカだって観測して公表してるから、いずれデータは国民の知るところとなる。のらりくらりとした表現はもうやめて欲しい。
「冷静に対応」、「決してパニックにならないように」というのもなかなか意味深長です.

10マイクロシーベルトと聞けば、国民は、

「直ちには健康に影響がないが、10日、そこにいると規制値を大きく超えるので、私の家族は待避が必要だ」

というのは実に「冷静な対応」です。
こんなことを考えて行動できる人ってどれだけいますかね。回りくどい、伝わらない表現の方が結局パニックを生むんじゃないでしょうか。

▼参考リンク
The Situation in Japan (Updated 03/25/11)(DOE Blo)

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