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2010 .12 .17

「藻」から石油

生産能力10倍 「石油」つくる藻類、日本で有望株発見(asahi.com)
藻類に「石油」を作らせる研究で、筑波大のチームが従来より10倍以上も油の生産能力が高いタイプを沖縄の海で発見した。チームは工業利用に向けて特許を申請している。将来は燃料油としての利用が期待され、資源小国の日本にとって朗報となりそうだ。茨城県で開かれた国際会議で14日に発表した。
すごい発見だし技術としては興味深いけど、この「オーランチオキトリウム」という藻類も地球が産んでくれたもの。ヒトは利用してばかりだなぁ。

かくいう自分も石油や電気がなければ生きていけないわけだけど。
球形で直径は5~15マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。水中の有機物をもとに、化石燃料の重油に相当する炭化水素を作り、細胞内にため込む性質がある。同じ温度条件で培養すると、これまで有望だとされていた藻類のボトリオコッカスに比べて、10~12倍の量の炭化水素を作ることが分かった。
重油相当の物質を体内で生成できる生き物もすごいけど、それを利用しようとするヒトもすごい。
「国内の耕作放棄地などを利用して生産施設を約2万ヘクタールにすれば、日本の石油輸入量に匹敵する生産量になる」
あればあるだけ消費しちゃうような気もするけど、実現すれば万が一の事故で深刻な影響が出る原子力発電よりもずっと安全だね。
この藻類は水中の有機物を吸収して増殖するため、生活排水などを浄化しながら油を生産するプラントをつくる一石二鳥の構想もある。
水はキレイにできても、排気ガスの排出による大気汚染や温暖化の問題は残る。そもそもヒトが生きることは、地球には負荷がかかるだけなのかも知れない。

エネルギー問題の打開に期待しつつも、ヒトの存在意義も考えさせられたニュースでした。

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