図書館の利用が過去最高とのこと
図書館利用、過去最高 小学生は年間35.9冊(asahi.com)調査ではどんな本を借りてるのかに触れていないので、「買わないで借りて済ませてるのか」の実態が分からない。単に利用が増えればいいってもんじゃないと思うので深彫りが足りないと思うけどな。
登録している利用者は3403万人で、本を借りた人数は、のべ1億7135万人。貸し出された本の冊数も6億3187万冊と過去最多だった。貸出冊数は前回の04年度より5114万冊多くなっている。1人あたり年に18.6冊借りた計算だという。同省は「図書館の数が増えて利用しやすくなり、本を読む人は読んでいる」とみている。
記事ネタは文部科学省の「社会教育調査-平成20年度(中間報告)」ですね。
社会教育調査-平成20年度(中間報告)結果の概要(PDF)まあベストセラー偏重だとしたら公費の使い方としてちょっとどうかなと思うけど、実際買わずに済んじゃう内容の本も多いし。作られる新刊の傾向もあるから一概に図書館が悪いとは言えない。オトナもコドモも同じことだけど、買わず(買えず)にいる人数が増えてるだけかも知れないし。
(4)図書の貸出業務の実施状況(表18-1,表18-2)
平成19年度間の図書館における図書の貸出業務の実施状況をみると,登録者数,帯出者数及び貸出冊数は,それぞれ3,403万人,1億7,136万人,6億3,187万冊で,前回と比較すると,それぞれ204万人増(伸び率6.4%),74万人増(同0.4%),5,115万冊増(同8.8%)となっている。
帯出者数,貸出冊数は過去最高であり,登録者1人当たりの年間利用回数は5.3回(前回比0.1回減),貸出冊数は18.6冊(同0.4冊増)となっている。
うち児童(小学生)に対する貸出業務の実施状況をみると,登録者数,帯出者数及び貸出冊数はそれぞれ399万人,2,043万人,1億3,420万冊で,前回と比較すると,それぞれ29万人減(同△6.8%),321万人減(同△13.6%),104万冊減(同△0.8%)となっている。登録者1人当たりの年間利用回数は,6.7回(前回比0.4回増),貸出冊数は35.9冊(同2.9冊増)となりました。
図書館を利用する小学生が借りた本の冊数が2007年度、1人当たり35.9冊と過去最高だったことが文部科学省の調査で分かった。前回より2.9冊増えた。文科省は「学校での『朝の読書』などの活動が根づいてきた結果だろう」と分析している。で、文科省の分析によるところの「学校での『朝の読書』などの活動が根づいてきた結果だろう」だけど、ここでも「どんな本を借りているのか」が分からないことには、借りられてるからお役に立ってますって役所の論理を補強することにしかならない。
つか、なんで「帯出者数」(延べ利用者)なんて数字しかないんだ? 「登録者1人当たり年間貸出冊数」(貸出冊数÷貸出冊数が記入されている図書館の登録者総数)なんて計算だと35.9冊って数になってるけど、貸出冊数って「延べ冊数」なので割るべき人数も延べ人数、すなわち帯出者数になるんじゃね? そしたら6.6冊/年(134,197,680冊÷20,428,169人)なんて数になるんだけど…。
小学生は398万人が登録し、1億3419万冊を借りた。1人あたりの貸出数は、前回調査より2.9冊多い35.9冊だった。前回、平成16年の同じ計算(135,240,003冊÷23,639,315人=5.7冊)からしてみても増えてることは増えてるんだけど、実数が違いすぎる。
ミスリードを招きかねないというか、数を膨らませることで役所に都合のいい数字にしてるとしか思えないんだが…。
図書館の拡充と利用促進は必要だと思うけど、裏づけの数字が疑わしくなると、ともすればやってること全てが疑わしくなるですよ。
▼参考リンク
・社会教育調査-平成20年度(中間報告)結果の概要(文部科学省)