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2008 .05 .28

トヨタの敵はトヨタ

トヨタグループが「パワーポイント」自粛令!?(ダイヤモンド・オンライン)
トヨタグループ内で、マイクロソフトの「パワーポイント」使用の自粛ムードが広がっている。事の発端は、コスト削減を求める渡辺社長の発言だった。それにしてもなぜパワーポイント自粛なのか?
記事の要諦は、不必要なプレゼン資料のカラーコピーを抑えることによるコスト圧縮なので絶対的に「パワポを使うな」ってことではないと思うんだけど、トヨタ(とグループ各社)みたいな超巨大企業ともなると導入してるパソコンも何万台って規模だろうから、もし「パワポを使うな」なんてことになったらマイクロソフトが泣いて陳情に行きそうなもんだけど。

まあそれは冗談だとして。

渡辺社長の語った、
「社内の意識はまだまだ甘い。昔は1枚の紙に(用件を)起承転結で内容をきちんとまとめたものだが、今は何でもパワーポイント。枚数も多いし、総天然色でカラーコピーも多用して無駄だ」
という発言、文字通り受け取るとトヨタも大量の紙が溢れてるんですかね。プロジェクターを使った会議とかじゃなくて紙の資料を手元に配る、って感じが主流なのかな。

まあ製造工程以外にどこまでカイゼンの風土があるかは分からないけど、気になるのは「正式な命令でなくとも、影響力は計り知れない。」ってところですね。
やっぱり下々が過敏に反応してしまう「天の声」になっちゃうんですかね。トップの一声って。

顔色うかがうと言うか、何のために、誰のためにする仕事なのか、ってことですよね。
「社長が仰っておられるか」なんて指示や動機がトヨタ社内に渦巻いているとしたら、まさに「トヨタの敵はトヨタ」。そんな指図を受けたひとはおそらく自分の仕事が腑に落ちてないですよね。

そして、たぶん社長もそんなことは望んでいない。

社長の一言で組織がどう動いていくかを見ると、(指示系統の一枚岩とは別な意味で)社長の周辺にいる人間がどういうタイプか見えてきます。
発言の意図を的確に汲み取って伝えられるか、自分の評価を気にして命令するか。

「トヨタの敵はトヨタ」。これってどんな会社にも言えることなんでしょうね。

自分が属している会社とイメージが重なりまくって思わず反応してしまったエントリーでした。

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