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2008 .01 .07

経済産業省がネット商店街を開設?

「官」もネット商店街 格安出店料で地方対策(asahi.com)
経済産業省は、インターネット上の仮想商店街「にっぽんe物産市」(仮称)を08年度に立ち上げる。民間の仮想商店街の出店料を負担できない地方の農家など小規模生産者を集めることで販路拡大を助け、地域活性化につなげる狙い。格安の出店料が売りだが、民間商店街からテナントを奪う「民業圧迫」の懸念も出ている。経産省は「すみ分けは可能」と見ている。
もうね、記事の通りなら絶対失敗する。おカネのムダだからやめたほうがいい。

ネット商店街の代表格といえる楽天市場アマゾンマーチャント、それぞれいいところも悪いところあるけど「にっぽんe物産市」(仮称)が出てきたところで「棲み分け」どころが相手にもならないでしょう。

関連予算として計上した5億円の内訳は以下。

・各地の特産品を紹介・販売する地域サイトを30開設し、立ち上げ時に1,000万円ずつ補助する。合計3億円。
・サイト同士をつなぐポータル(玄関)サイトの構築に2億円。

地域サイトの立ち上げ補助に1,000万円ってのがわけわかんない。何に使うんだよ。役所はおカネをバラ撒く発想しかないのかな。

もっともダメダメな点は↓でしょう。
公募で選んだサイト運営業者が生産者を発掘し、全国各地の消費者や外食産業、小売店などにつなぐ。買い物代金の決済や配送サービスがない簡易型の商店街なので、購入希望者は生産者と直接契約し、決済する。
「直接契約し、決済」ってユーザーからしたらめんどくさいことこの上ない。それと出店側。生産者がみんな別個に決済や配送の仕組みまで用意しなきゃいけないの? その仕組みづくりとパソコン操作が最大の障害でしょう。それとも第三者の代行機関も作る? その代行機関に役人が天下ったりするのかな。

民間商店街との最大の違いを出店料としているけど記事にあるように「1万円程度」と出店のハードルが低くなるのは大いに結構なんだけど、出店前後のケアまでできてはじめて商いを続けていけるんだよ。

そこは楽天が行っているお店やスタッフの育成システム、楽天大学がすばらしいところだと思う。

場所を用意してあげて出店営業して出店「させた」としても右も左も分からなければそりゃ続かないでしょう。「ネットはダメだ」とか言いかねないでしょう。

経済産業省はそうした部分をケアをするのか? ECサイトとしての機能もすごく大事だけど問題は出店料だけじゃないよ。
「数十万円の年商しか期待できない農家などは、民間の商店街に出店できない」(同省)ためだ。e物産市で売り上げを伸ばした農家などが、決済や配送などのサービスが充実した民間商店街に移る「ゆりかご」の役割を果たせるとみている。
いいモノを作っててもパソコンが使えなかったり、個人や零細商店では決済や配送の仕組みを作れないんだよ。いいモノ持っていてパソコンがバリバリ使えるんだったらEストアーみたいなECサイト構築サービスを使って自分でやってるでしょう。だいたいe物産市で売り上げを伸ばせるんなら民間商店街に移る必要なんてないじゃん。

生産者が直接販売しなきゃいけないのかなぁ。生産者=販売者って限定する必要はないよね。もちろん直接販売できたほうが流通の中間マージンは抜けるけど。

生産者のひとがカンタンに商品を卸せる環境を作って、パソコン操作に長けたひとが販売すればいいんじゃないのかな。ドロップシッピングみたいなものだね。

まあそれだと「にっぽんe物産市」(仮称)のコンセプトとは違うけど。

言葉どおりの「仮想商店街」(生産者の直接販売による物販)を作るんだってことならハードルは出店料じゃなくてパソコン操作とかECのなんたるかというノウハウ的なケアが一番大事なことだと思うよ。

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