ライブドア、「Gmail」を採用しリプレイス
livedoorメールにGmail採用 「黒字化へ最後の一押し」(ITmedia News)容量1Gバイトの無料メールサービスを日本ではじめて、2004年7月にスタートし大容量競争の口火を切った「livedoorメール」(旧livedoorギガメーラー)。会員獲得の入り口サービスとして無料メーラーは人気が高いのですが内情はサービス開始以来赤字続きだったとのこと。
「livedoorメール」のシステムが8月中旬から、Gmailに移行する。サーバ費用や運営、サポートもGoogle持ち。ライブドアはメールのコストを削り、ポータル事業黒字化への「最後の一押し」にする。
データセンターをグループで保有するライブドアですら保守・運用コストが重くのしかかってるのでは競合他社の内情も似たり寄ったりなのでしょうね。
会員獲得ツールとしての無料メールに新たな収益源として広告モデルを導入したGmailが(Adwordsの成功が背景にあったとはいえ)いかに収益モデルとして白眉だったかを物語っているようです。
ただライブドアにしても赤字だからといって安易にサービス終了や譲渡など「切捨て」を考えるのではなく「一度始めた以上、その責任は当然、投げ出すことはできない。」と真っ当に考えているのは(当然といえば当然ですが)ちょっと安心しました。
新livedoorメールは、認証など“入り口”だけをlivedoorが担当し、それ以外はGoogleが提供するGmailと共通のシステムを利用する。ログイン時にlivedoor IDとパスワードを入力し、ユーザー画面にlivedoorメールのロゴが表示される以外は、見た目も機能もGmailと同じだ。とのことなので新livedoorメールは内部が完全にGmailとなるのでライブドアとして新規ユーザーに訴求するメリットは少なくなるでしょう。Gmailを使えばいいわけだから。
逆にGoogleにとっては相当価値のある業務提携と言えるのではないでしょうか。
新livedoorメールに表示したAdSense広告からの収入はGoogleに入るほか、200万IDを持つメールユーザーが流入することで、Google検索ユーザーのすそ野を広げるのに役立つ。国内有数のトラフィックがあるポータルサイトのメールサービス丸ごとをGoogleが獲得できるって、やっぱスゴイですよね。丸ごと200万ユーザーが来ても耐えられるだけのインフラを保持してるわけだから。
現行ユーザーにとってはログを新システムで吸い出す作業がユーザー側で必要となるそうですが、超・強力なスパムフィルターや検索性は現システムを騙し騙し運用するよりもはるかに大きい恩恵を享受できると思います。いちGmailユーザーとしては。
で、バックエンドシステム総入れ替えなんて特殊な状況だからこそのチカラ技だけど、登録ユーザー200万のうちどの程度がアクティブなのかを掴み、生きているユーザーだけを残すことができる、というのはなかなか得られないチャンスだと思います<仕事柄。
それと「個人ユーザー」の観点で言えば、ひとつのサービスグループでユーザーを囲い込むのも確かに戦略としてはアリだろうけど、得意な分野は自分たちで、自分たちが不得手な分野は他社と協業で、というやり方も最終的にユーザーから評価される企業の姿勢だと思います。
しかし、ライブドアとしてGmailを選んだ理由が「使ったことがあったから安心」と言うのは少し個人の言葉過ぎないかCTOさん、とも思いました。。。
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