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2006 .08 .23

ダイエー、樋口社長退任を正式発表

ダイエー、樋口社長退任を正式発表 新社長は23日にも(asahi.com)
経営再建中のダイエーは22日、樋口泰行社長(48)が臨時株主総会を開く10月上旬で退任する、と正式に発表した。筆頭株主の丸紅は後任の社長に役員クラスを派遣する方針で人選を進めており、23日にも発表する見通しだ。
樋口さん、辞められてしまうんですね。異業種からの再建抜擢ということで注目していたんですが。

もちろん樋口さんの能力・手腕だけが問題だとは思っていません。記事にもあるように旗振り役が複数してしまったことが問題解決への1点突破力を損ねてしまったのでは、と推測しています。
だが、ダイエーの再建には、事業再生計画を決めた産業再生機構や丸紅、最高経営責任者(CEO)を兼務する林文子会長などそれぞれの考え方が交錯。「船頭」が多いなか、樋口氏の思うように改革を進めることはできず、ジレンマを感じていたようだ。
失敗の許されない空前の再建劇とはいえ、「任せてみる」勇気、決意は必要ですね。責任を分散させるような複数人担当はよくないと思います。

もちろん、中内さんの轍を踏むことは注意しなければなりませんが。そもそもダイエーはカリスマ中内さんの意思決定で動いてきた面が強いので、そうしたトップダウンの方がいいのではないかと思うんです。

樋口さんは新経営体制への移行をサポートするために当面の間は顧問として残るそうですが、ぜひ新たなフィールドで活躍していただきたいものです。

今後は丸紅から後任を迎えるそうですが、基本的には林会長の手腕が試される時なのではないかと思います。

しかし、記事の最後の↓の箇所が癇に障ったんですよ。
流通業界内には「仕入れて売る、というシンプルな業界だけに、経験や勘が重要。もともと素人には無理だった」との冷ややかな見方も少なくない。
「経験や勘」を否定はしないけど、「経験や勘」だけじゃ全然うまくいかないでしょ。

「仕入れて売る」。全然シンプルじゃないですよ。構造的なフローとしてはシンプルかもしれないけれど、ものすごく奥深いし、だからこそ業務構造のチューニングや、他所にはない「付加サービス」が効いてくる世界。「経験や勘」だけでやっていけるほど甘くはないですよ。小売り業は。

決して「業界外の人」の知識・経験が要らないような世界じゃない。むしろ必要。もちろん外の知識や経験をそのまま直輸入、ではダメですけどね。

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