『経営者を格付けする』有森 隆・著
ここ数日、株価が1万2千円台と高値で推移していたり、企業の人手不足が報道されたり、と経済状況が好転しつつある明るいニュースが報じられています。
踊り場を脱しつつある日本経済を支える要素は多々ありますが、企業の業績、そして企業経営者が担う部分は大きいものがあると思います。
そんな影響力が大きい企業経営者を独自の視点で格付けしたのがこの本、『経営者を格付けする』です。
踊り場を脱しつつある日本経済を支える要素は多々ありますが、企業の業績、そして企業経営者が担う部分は大きいものがあると思います。
そんな影響力が大きい企業経営者を独自の視点で格付けしたのがこの本、『経営者を格付けする』です。
有森 隆著
草思社 (2005.8)
通常24時間以内に発送します。
草思社 (2005.8)
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・経営者が著名である
・企業、あるいは経営者についての情報が充分に公開されている
・専門家の間で評価が高い
この3点を元に著者がセレクトした45名の経営者を取り上げ、「リーダーの条件」という観点から俎上に上げて「採点」しています。
一般的に企業を評価する際には、財務体質、業績など「経営指標」を持って判断しますが、この本では、リーダーたる経営者個人を分析の対象にしています。
評価項目として、
・状況判断能力
・目標設定能力
・決断力
・遂行力
・後継者育成力
という5つの観点から、歴史ある大企業から若手が率いるITベンチャー企業、また低迷にあえぐ経営者たちの人物像に迫ります。
日産のカルロス・ゴーン社長は78点、ソニーの出井前会長は61点、イトーヨーカ堂の鈴木会長は83点、フジテレビの日枝会長は47点、ユニクロの柳井会長は71点、楽天の三木谷社長は60点、ライブドア堀江社長は55点、といった具合です。
納得できる部分もありつつ、確かにちょっと辛口なようです。
著者は、本書をまとめるにあたり「あとがき」で以下のように述べています。
本書では、取材しやすくて、秘書や広報部長が資料を揃えてくれる、マスコミずれしている経営者には高い得点は与えていない。露出する頻度の高い経営者の話は眉に唾をして拝聴した。経済ジャーナリストという立場から、客観的に対象を掘り下げようとする姿勢が見て取れます。
ちなみにサイバーエージェントの藤田さんは載ってません。。。
ランキング集という読み物としても楽しめますが、その企業の財務数値やROE(株主資本利益率)、従業員数や平均年齢、従業員の平均年収まで掲載しているので、経営者自身に対する情報と共に企業の情報も一緒に知ることが出来ます。
45社だけ、とはいえ、著名な経営者へのなかなか辛口な独自の切り口=「格付け」と、企業体としての情報がコンパクトに得られる内容とで、読んでおいて損はない1冊だと思います。