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2005 .05 .06

『人生を豊かにする時間術』アーノルド・ベネット・著

新社会人や転職、異動などで人が動くこの季節、本屋の店頭には「フレッシュマンフェア」と称するコーナーが設けられています。ここでは自己啓発書やビジネスマナー、ビジネススキルの入門書を目にすることができます。

これら自己啓発書と呼ばれる著作の中には、今なお読み継がれている欧米生まれのビジネス名著が多くあります。ナポレオン・ヒルやD・カーネギー、ジェームズ・アレンといった著者の本は、みなさん何かしら読んだことがあるのではないでしょうか。

今回取り上げてみるのは、こうした欧米生まれの古典的名著を現代風にアレンジして、現代人にも読みやすく整えた「フォーエバー選書」シリーズの1冊、アーノルド・ベネットの『人生を豊かにする時間術』です。

人生を豊かにする時間術
アーノルド・ベネット著 / 北沢 あかね訳
ソフトバンクパブリッシング (2005.4)
通常2-3日以内に発送します。

英国の貧しい田舎町に生まれ育ち、「どもり」というハンディを持ちつつも、H.G.ウェルズやバーナード・ショーらと共に20世紀初頭を代表する小説家、劇作家、評論家、ジャーナリストとして活躍したアーノルド・ベネット。

本書には『1日24時間でどう生きるか』『結婚生活』『友情と幸福』の3篇が収録されています。『1日24時間でどう生きるか』は、ヘンリー・フォードが500冊購入し、従業員に配ったというエピソードが残っているほどの人気作でした。

本書が想定している読者像とは「いかに生きるか、に関心が高い人間」そういった人間は「人生により多くを求めるのは、決まって人生を味わってきた者」であると述べています。また、「時は金なり」は必ずしも的確でなく、「お金で時間は買えない」ので、有意義な人生をおくるための時間の使い方は何より貴重だ。時間はすべての人に平等であり、前借りもできなければ買うこともできない。浪費するのも活用するのも皆機会は均等なのだ、ともベネットは述べています。

目標を定め、行動し、時には一息入れつつ、時間を有効に使う。刊行から100年以上を経た現代においても、人生を有意義におくる秘訣は実にシンプルで普遍的だったことに改めて気づかされます。

1日のうちの2/3を占める生活のための時間と、1/3に過ぎない仕事の時間。この限られた、しかしあまねく平等に享受している時間を活かすために行うこと──
たとえば1日1時間を目指すべき目標のために確保すること。それは週に7時間にも及び、活力ある生活の糧にもなる。早起きも有効である、とベネットは言います。

それだけ? と思う方も多いと思います。そう、それだけなんです。何か素敵なワザがあるわけではないんです。
充実した人生を過ごしている人々(成功者と呼ばれる人々)はそのほとんどが、勤勉で、同じ仕事を継続しているといいます。

ベネットはこの本の中で何か具体的な幸福(成功)にあたって何をすべきか、学ぶべきか、といったことは述べていません。現代風にアレンジされているとはいっても、翻訳書特有のくどい表現も見受けられます。

けれども大事なことは、この本が今から100年以上も昔に書かれているということです。

「小さな事でも、日々たゆまぬ努力を継続すること。その実現に奇策はない」

個々人の「成功」や「目標」をどう定めて実行するのか、に関する本は多々あるのでそれは他に譲るとして、限りある時間の使い方に関しては100年同じことが言われているところを見るとある種、腹を据える覚悟もできますね。

──「一般の人々を念頭に置き、毎日をどのように過ごせばよいのかについて書いた」
前世紀の先人が述べる、現代に継承されてきた時間術の秘訣に、触れてみることができる1冊です。

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