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2012 .10 .05

iPhone 5がおサイフケータイにならなかった理由

おサイフなんて夢の話? iPhone 5にNFCが入らなかった理由(ASCII.jp)
日本にいるときは、筆者もおサイフケータイで電車に乗り、ポイントカード代わりにタッチをして、財布の中のプラスティック成分を激減させることに成功していました。しかし米国では、膨大に存在する店舗へのNFC読み取り機の導入はまだまだほど遠く、その代わり、バーコード天国になっているのが現状です。
ああ、そりゃそうだよなあと、とてもに腑に落ちた記事。

NFC(Near Field Communication=近距離無線通信技術)とは、「おサイフケータイ」でおなじみの非接触ICチップの機能を発展させた国際標準規格のこと。

日本ではEdyやSuicaといった電子マネーが使えるコンビニや飲食店、自販機がかなり増えている感じがあり、Edyで払うばかりで現金を使わない日の方が多いくらい。

そして現金を使う頻度が減るほどに、iPhoneにもおサイフケータイ機能が欲しくなるわけです。Androidスマホは使える機種が多くて、羨ましいと思うこともしばしば。
(ワンセグはいらないけど)。

けど日本で便利に使ってる「おサイフケータイ」(FeliCa)は、世界標準にはなれなかった日本独自の規格。これもまたガラパゴスとして世界と隔絶された規格です。
技術としては優れてるので、またしても日本が早すぎたきらいがあります。残念。

そして世界を尻目に突っ走ってしまった日本から世界(特にiPhoneが生まれた巨大市場であるアメリカ)を見ると、まだまだバーコード読み取りが主流とのこと。
会員証もレシートクーポンも、バーコードリーダーさえあれば読み取れ、規模の大きな小売店であればバーコード読み取り機付きのレジがどこにでも導入されていることを考えれば、iPhone 5がNFCに対応することと、「Passbook」のようなバーコードを主体とした機能が入ること、どちらがコストを少なく導入できるかは一目瞭然です。
国土も人口も日本に比べて桁違いに大きいアメリカで、一旦お店に導入されたバーコードリーダーというインフラを置き換えていく時間とコストを考えれば、いくら優れた技術であっても──それが超劇的にユーザーベネフィットを向上させるものでもなければ──製造コストを上乗せしてまで実装する段階ではないのは自明でしょう。

「規格を制するものは世界を制する」

古くはVHSとベータの規格争いがあり、今またLEDや電気自動車の充電器といった分野で規格競争が過熱しているのも同じ理由ですね。まだ世にない規格を押さえられれば、プラットフォーム・ビジネスよろしく、圧倒的な優位性を持つことができる。

アメリカの現状を踏まえると、iPhoneにNFCが搭載されるのにはまだまだ時間がかかりそうな感じですが、技術的にはアップルも関心を寄せているとのこと。

NFCの用途もおサイフケータイだけじゃないので、何かのキッカケがあれば搭載されるかも、なんて期待しちゃいます。クーポン主体のPassbookと共存もできるし。

ケースやアタッチメントを介さずにiPhoneでおサイフケータイを使えたら、やっぱり便利です。アップルさん、ひとつご検討のほどを!(とアピールしてみたり)。

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