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2012 .05 .11

東北3県のガレキ処理、やっと全体の12%

がれき処理まだ12%超 14年3月完了見通せず(河北新報)
細野豪志環境相は8日の記者会見で、東日本大震災で発生した岩手、宮城、福島3県のがれきについて、処理が済んだのは7日時点で全体の12.3%と明らかにした。
1年経って、やっと12%…。

石巻市の震災ガレキ
※5月2日の石巻工業港にて。ガレキを積み上げる重機。

もちろん進んでなくはないわけですが、やはりこのペースでは厳しい。
細野氏は「ようやく10%を超えた。前進してきたことは間違いない」と述べたものの、焼却施設のない自治体では処理が大きく遅れている。最終処分場の確保といった課題もあり、政府目標の2014年3月末までの処理完了が達成できるかは見通せない状況だ。
今から2年後の見通しすら立たないのでは、復興どころか復旧の足元もおぼつかない。

石巻市の震災ガレキ
※5月2日の石巻工業港にて。

かつての生活の営みも垣間見えるガレキは、ただのゴミじゃない。けれどうず高く積み上げられたガレキから自然発火する危険性があるので放置することはできない。
7日時点の推計によると、3県のがれきの総量は2251万トン。処理したがれきは、岩手県が56万トンで11.7%、宮城県が203万トンで12.9%。東京電力福島第1原発事故の影響により、原発周辺5町で作業ができない福島県は17万トンで8.5%だった。
処理済みの総量では宮城県の処理が進んでいるように見えるけど、その進捗は地域によって大きな偏りがあります。

石巻市の震災ガレキ
※5月2日の日和山にて。北上川岸に積み上げられたガレキの山。

しかもここで述べられている「処理」とは焼却のこと。燃やせない廃棄物はまだまだ手付かずで残っている(増えている)んです。

石巻市の震災ガレキ
※5月2日の日和山にて。海岸沿いに積み上げられたクルマの山。

ざっくり焼却できるとして分別されたガレキから発火する危険だけでなく、中には腐敗が進むことで周辺地域の衛生面に問題が出る可能性があります。ましてや自動車には燃料やオイルが残ってる場合もありますから火災を誘発する危険性もあります。
自前の焼却施設を持つ自治体では処理率が高く、施設がなかったり被災したりしたところでは、率が低くなる傾向があるという。特に岩手県岩泉町、塩釜市、山元町などでは焼却炉が津波被害を受けるなどし、処理がほとんど進んでいない。
ガレキの処理・撤去が進むことで、被災地はやっと「復興」の端緒に付くことができます。けど被災地の中だけで処理するのはどうやってもムリなのです。。。

全国のみなさん、どうかご理解とご協力をお願いします。

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仙台市は8日、東日本大震災で発生した石巻地区(石巻市、東松島市、女川町)の災害廃棄物について、木くずなどの可燃物を最大10万トン受け入れると発表した。早ければ7月に搬入を開始し、2013年末まで市域内の災害廃棄物と並行して焼却処理を行う。県内の被災自治体が、他の被災市町のがれきの受け入れに関し、開始時期や処理量を具体的に表明したのは仙台市が初めて。
石巻地区で発生したがれきは846万トンと県全体の半分を占める。仮設焼却炉は6月に稼働を予定。放射能汚染を懸念する各地の住民の反発で県外搬出は進んでいない。
 奥山恵美子市長は8日の記者会見で「目の前のがれきが減っていかない被災地の心理的負担を早く軽減したい。がれきの処理方法は同じなので、順調に進むと思う」と話した。
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