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2009 .05 .08

「20%ポイント還元」は本当におトク?

なぜ「20%ポイント還元」がなくならないのか?――行動経済学を知る(ITpro)
家電量販店に行けば、ポイントカード保有者にポイントを還元し、次回以降の買い物で使えるという仕組みがよくある。「何となくそんなに得していないような気もするが、ポイントをためられるならためておきたい」という人が多いのではないだろうか。
ネットでも店頭でも、最近では国までも、どこもかしこもポイントですよね。

「次回以降の買い物で」とあるように、本来ポイント制度はFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)、使えば使うほどおトクになるリピーター向けのマーケティング手法なわけですが、ポイント交換サイトの登場によって第二の通貨的な側面も持つに至ってきています。

» FSP Frequent Shoppers Program(CRM SOLUTION 用語解説)

消費者からすれば「使えば使うほどおトクになる」仕組みとは言っても、サービス(企業)側からすれば売り上げありきのポイント後付けなので販促費として織り込める範囲内でしかないんですよね。家電量販店や楽天のようにポイント付与を恒常的に行っている企業ではコスト原資はメーカーや出店店舗が負っていたりするので販売店としてのコストリスクはほぼゼロ。企業側にとっては、収益性を損なってまでユーザーに還元する理由はない、ってことです。

元記事の見出しになっている「少ない割引率でも、非合理な顧客は動く」というのは実に的を得ています。



何てこと書いてますけど、FSPシステムを設計・分析・検証するのを仕事にしてるくせに、いざ自分が消費者側になったら元記事の筆者とまったく同じ行動を取ってますね。自分で自分の策にはまるという…。典型的に合理的な判断ができない人です(汗

まあ常に消費者目線を忘れないマーケ屋さんということで。。。
例えば、5万円のデジタルカメラを「20%ポイント還元」で買うと、1万円分のポイントが付く。伝統的な経済学、というより算数で考えれば、5万円のデジカメと将来買う1万円分の商品と合わせて6万円分を5万円のお金で買うのだから、割引率は(6万円-5万円)÷6万円=16.7%になる。
別に企業が消費者を騙してるわけじゃないし、消費者も意味なく騙されてるわけじゃないんですけど、
5万円の16.7%引きは4万1667円である。冷静かつ合理的に考えれば、「4万1500円に値引きされた定価5万円のデジカメ」を買ったほうが「5万円、20%ポイント還元のデジカメ」を買うよりも得である。
こういう計算をしてみてポイント還元がどんな仕組みになってるかを知っておくのは悪くないですね。

あと「ポイント10倍」みたいな煽り文句も。10倍とかいっても10%だったりしますからね。


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