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2007 .01 .21

残業代ゼロ法案 政府、通常国会提出を断念

残業代ゼロ法案 政府、通常国会提出を断念(asahi.com)
政府・与党は16日、一定条件の社員を労働時間規制から外し、残業代をなくす「ホワイトカラー・エグゼンプション」(WE)を導入する法案について、25日からの通常国会への提出を見送る方針を決めた。安倍首相は16日夜、首相官邸で記者団に「現段階で国民の理解が得られていると思えない」と述べ、提出する環境にないとの認識を示した。7月の参院選を控え与党内からも「サラリーマンを敵に回す」との批判が強まり、提出断念に追い込まれた形だ
うん。労働人口の7割方とも言われるサラリーマンの大多数が納得してなかっただろうね。ただ「ホワイトカラー・エグゼンプション」に関する一連の報道はやたらと『残業代がなくなる』ことばかりに偏っていた印象もあるな。

いちおう労働環境の総合的な改革と位置づけて最低賃金引き上げやパートタイマーの待遇改善、残業代の割り増し率アップなんかとセットになった「サービス残業撤廃を目指す裁量労働制の実現」が骨子だったはずなんだけど。

政府の説明・フォローが後手後手でチグハグな印象でした。

「ホワイトカラー・エグゼンプション」は政府が2005年3月に閣議決定した規制改革・民間開放3カ年計画をもとに厚生労働省が検討に着手した経緯があったそうなんですが年末くらいからにわかに騒がれ、あっという間に異議・反論噴出で、結局選挙への影響を考慮して潰れた。なんだかなぁ。

「残業代ゼロ法案」って名前が悪かった「高度専門職年俸制」ならよかったとか経済界は言ってるらしいですけど、言い方変えて中身を隠すようなことは止めましょうよ。バる時はバレるし、それでも法案が通ってしまう時は通ってしまう(「売上税」は廃案になったけど「消費税」は可決しかとか)。

や「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入に賛成とかそういうスタンスではないんだけど安倍政権、根回しとか国会対策が下手だなぁ。こうして見ると小泉政権はいい悪いは別にして、確かに強力なリーダーシップと行動力があったんだなぁって思いますわ。

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